佐藤航陽氏著「未来に先回りする思考法」から学ぶ、これからの社会の生き方




 

 

株式会社メタップス代表取締役社長「佐藤 航陽」。

 

弁護士を目指すも途中で切り替え大学1年で起業。

ホームページ作成やプログラミングの仕事を受注し、わからないことはその都度本を購入し調べながら仕事をしていた。

 

普通ならそんな状態で仕事を受注なんてしないと思いますし、受注してから勉強するというスタンスに驚きますね。

 

そんな佐藤氏はなんと起業から2〜3年で軌道に乗ったと話しており、やはりできる人はもともと何か違うなと思わざるを得ません。

 

そんな佐藤氏の未来に対する思考法が書いてあるのが本書「未来に先回りする思考法」。

 

大きな変革の時代に生きている私たちにとっては必読の書だと思います。

では、早速な内容の確認をしていきます。

 

今まで人類は未来を見誤ってきた

 

「飛行機の実現は百万年から一千万年かかる」

「おサイフケータイが使えないiPhoneは流行らない」

「実名登録のFacebookは日本では流行らない」

 

こんな未来を予想してメディアは発信していますが、現実は全く違いました。

しっかりとした分析の元このような意見を発信していることと思いますが、人類は未来を見誤ってしまうものなのです。

 

 

0.1%の人が「世界が変化するパターン」を見抜いている

 

しかし、いつの時代にも先のことを予言しているかのような言葉を残している人がいます。

スティーブ・ジョブズはスマートフォンを持つ未来を予言し、自らその実現に向かっていました。

 

この両者の違いは「パターンを認識する能力」にあると佐藤氏は言っています。

 

 

テクノロジーが与える影響

 

テクノロジーの進化により、世の中は急激に進化してきました。

そして、テクノロジーに焦点を当てることが社会全体の構造を理解する一番の近道となるのです。

 

「未来に先回りする思考法」では、テクノロジーを軸に、

  • 進化の「パターン」
  • 社会への影響
  • テクノロジーの問題点
  • 未来の予測と個人の意思決定

について、佐藤氏が考察しています。

 

それぞれ見ていきましょう。

 

 

地図を捨ててコンパスを持つ

 

「リーンスタートアップ」という言葉、ご存知ですか?

仕事において計画性は大切かと思いがちですが、その計画することを放棄してしまおうという考え方です。

未来は予測できるという前提を捨ててしまい、ダーウィンの進化論「強者ではなく、変化に対応できた者だけが生き残る」を当てはめたようなこの考え方です。

その本質には「地図を捨ててコンパスを持つ」という考え方があります。

 

 

点ではなく線

 

テクノロジーの世界では、新しい技術がどんどん現れます。

そのタイミングはほとんどの人にとっては、いつ現れるかは予想がつきません。

 

しかし、GoogleやFacebookなどの企業はその予想ができており、その時を待ち受るということができていました。

そう、彼らにとってはもうその「線」が見えていたのですね。

 

 

一本の流れ

 

テクノロジーの3つの本質

線で捉えるためには、そのものの原理を知っておくことが必要であると佐藤氏は言っています。

 

人間の拡張【人間ができることを拡張してくれる】

人間への教育【人間の精神や行動を縛る】

掌から宇宙へ【掌の道具は飛行機、さらには宇宙へ】

 

 

あらゆる物体にインターネットが

 

インターネットが様々なデバイスとつながることにより、今までに得ることができなかった生活の細かな部分まで計測できるようになります。

そして、その集まったデータ(ビッグデータ)は人工知能によって活用されることとなります。

さらにはディープラーニング(深層学習)既存の機械学習の欠点を補える手法が考案されたことにより、今後一層注目の存在になることは間違いなさそうですね。

 

より人工知能の研究が進むことにより、物体に知性が宿る世界も見えてくることでしょう。

自動運転や店舗のレジや接客などマニュアル化できるものはこれから人工知能にとって変わることとなりそうです。

さらに感情までも数値化し、消費者が喜ぶパターンが解析され、一部の天才が知っていた「勝ちパターン」が誰でも確認できるようになることも考えられます。

 

 

想像できる技術はほとんどは実現される

 

人工知能は様々な反対意見も多くあります。

iPhoneやFacebookも当時は様々な批判がありました。

しかし、結果的には現在そのような意見を言う人はいないですね。

 

さらに、コンピューターは昔は今よりも高価なものであり、スマホレベルの機械を販売しようとすれば、驚くほどの金額になっていたことは間違いありません。

 

また、GoogleがYoutubeをかなりの金額で買収したり、FacebookがInstagramをまだ人気がないときに買収しましたが、結果的に今では世界中の多くの人が利用しており、当時疑問視されていた意見を覆しました。

 

結局ですが、様々なアイデアはそのときには「点」でしかありませんが、時間の経過とともに技術面・価格面などでブレイクスルーがあり、「線」に取り込まれるのです。

これを予測できるかどうかが大事になってくるわけですね。

「線」として捉えている人たちにとっては、目的地はほぼ同じだと佐藤氏は言います。

タイミング(いつ線になるか)が難しい。

 

「最新機器は流行るのか?」と言う議論は本質的な話してはなく、「いつのタイミングで本格的に普及するか?」ということが重要ということになります。

 

 

 

全てを原理から考える

 

「線」で考えるには、「原理」を理解しなければなりません。

社会の原理もまた「線」に沿って進化してきました。

そして、テクノロジーは「必要性」があったから生まれてきました。

 

  • 個々の社会システムがどのような必要性を満たすために生まれたのか
  • その必要性をテクノロジーで満たすことはできないか

 

この2つについて佐藤氏は考察していきます。

 

社会の進化

血縁型の封建社会

身分によっていろいろと制限されていた時代ですね。

この時代には、どの家庭に生まれたかによって、人生が決まってしまうような世の中です。

この制度は1600年代中頃に欧米を中心に、革命という形で崩れていきました。

 

ハブ型の近代社会

自由や平等といった価値観の時代ですね。

今、当たり前にある社会システム(義務教育・銀行・図書館・選挙)はこの時代に作られました。

情報伝達のコストが高く、スピードが遅かったため、代理人をたて「伝言ゲーム」をしていたのが基本構造です。

結果的に権力は集中することになります。

 

 

分散型の現代社会

ハブ型と違い、中心が存在しない形ですね。

情報の非対称性はインターネットにより崩れ、リアルタイムに仕入れることができ、コストは無料に近づきました。

代理人の力が徐々に弱まっていく時代ですね。

 

 

テクノロジーが境界線を溶かす

 

  • 国家と企業
  • 社内と社外
  • 自分と他人

 

国家が作るべきインフラは民間企業が提供することもこれからは考えられます。

もっともわかりやすいのが、Googleです。

Googleの検索はもはやインフラと言えるものになりつつあります。

国家が行うインフラ整備は税金でまかないますが、Googleは広告主から支払われており、ユーザーの負担を変えました。

 

また、インターネットが本格的に普及したことにより、企業はクラウドソーシングを活用すれば、自社内で社員を抱え込む必要がありません。

この流れが増えてくると、どこまでが社内でどこからが社外かの線引きは難しくなりますね。

 

さらに、現代ではSNSは欠かせないものになり、他人にプライベートを発信し続けています。

今後、さらに多くのものがインターネットに繋がり、さらに多くの情報が共有されることにより、他人と自分の境界線は曖昧になっていくことでしょう。

 

 

塗り替えられる社会システム

 

資本主義においては、効率的に資本を増やしていく方法を探していくと、農業や工業から金融や情報通信に流れるのが必然です。

この流れが進むと、国家の領土の重要性は下がります。

 

また、土地に縛られていた国民もこの時代に流れでは、国家と国民の関係は崩れていきます。

 

 

価値主義の時代へ

 

従来の資本主義の社会から価値主義の時代に今後動いていきます。

選択(評価経済や共有経済など)の自由が広がっている人が増えてきます。

 

 

 

 

テクノロジーは人類の敵なのか

 

 

テクノロジーによって、今後効率的な社会を実現することは良いことだと思われてきました。

しかし、テクノロジーが労働などを人から奪い、自分の存在価値が否定されていくような不安を抱く人が増えてきているのが現状です。

 

 

「ロボットが仕事を奪う」に欠けている視点とは?

 

人間は便利なものを一度手に入れたら、もう元の生活には戻れません。

LINEで即時にメッセージを送れる今となっては、手紙を書いてポストに投函する選択肢をとる人は少ないことと思います。

 

はたして、ロボットに仕事が奪われることは悪いことなのでしょうか?

仕事が無くなればお金が稼げなくなり、生活ができないという考えが前提にあります。

 

ただ、実は産業革命以降、労働時間は確実に減っているとのことです。

考え方によっては、仕事をする時間が減っているにも関わらず、昔より豊かな生活ができる可能性もあります。

 

 

多くの人は労働者であり、消費者です。

今は高価なものも、機械化によりコストが下がり、ずっと安く購入できるようになることが予想できます。

 

またネット状でのサービスは多くのものが無料で提供されています。

これはマネタイズのタイミングと方法により、無料で提供していても回収できるから成り立つわけです。

 

このように技術が進むにつれ、結果的に多くのお金が必要なくなってくる時代がくる可能性が考えられます。

 

またベーシック・インカムの導入はまだ進んでいませんが、これを国ではなく企業が行うという方法についても佐藤氏は述べています。

 

さらには生活コストの削減として、シェアリングエコノミーについても触れています。

有名なのはAirbnbですね。

自分の住まいの空きスペースを貸し出しできるサービスですが、これも旅先で安価に宿を確保するためのシェアということとなります。

他には、自分の自動車を、乗らない時に人にシェアするサービスもすでにあります。

 

 

「人間の機械化」と「機械の人間化」

今後、医療が進化することにより、人の臓器までも機械で補うことができることができるかもしれません。

ある種のサイボーグのような感じがします。

しかし、あくまでも人間は人間。

逆にテクノロジーの進化により、人間に近いロボットができることは考えられます。

 

テクノロジーは単独で存在するものではなく、最終的には人間そのものと融合することが運命付けられていると佐藤氏は言います。

 

 

 

正しい判断とは

 

Googleの20%ルールはご存知ですか?

就業時間の20%は会社の業務以外の自分の好きなプロジェクトを進めて良いとするものです。

 

そんな変わったルールを設けたGoogleのマネージャーが次のように言っていました。

創業者たちでさえ全ての市場を正しく把握することは難しくなっている。ネットの市場は変化が激しいため、トップの決定が一つでも間違えば、時代に乗り遅れるリスクがあります。

しかし、もしトップが意思決定を間違えたとしても、社員のプロジェクトの中に答えがあれば、企業は存続できる。20%を社員に任せることによって企業全体のバランスをとっているのです。

 

膨大なデータを学習した機械は、その情報から最善のパターンを認識しますが、あえて確率が低そうな顧客には広告を表示するということはないので、新しい顧客の発掘はできないのです。

 

 

 

人間にとっての最大の脅威は?

 

テクノロジーは「善くも悪くも中立である」と佐藤氏は言います。

テクノロジーが脅威となり得るのは、人間が意図的に悪用したとき。

つまり、人間にとっての最大の脅威は人間ということになります。

 

  1. サイバーセキュリティ
  2. グローバルIT企業と政府の協働
  3. 戦争とロボット

 

ハッキングをするのは人間であり、SNSやウェアラブルデバイスを使って人を監視するのも最後は人間です。

テクノロジーを進化させてきたのは戦争です。

最先端の技術は良いことに使えば暮らしを豊かにしますが、目的を間違えれば「毒」となってしまうのです。

 

 

未来に先回りする意思決定

 

未来を読み、さらに行動することに意味があります。

かつて自分が思い描いていた将来は、今本当にそれをする必要があるかを改めて考えるところから始めましょう。

 

  • 常に原理から考える
  • テクノロジーの現在地を知る
  • タイミングを見極める

 

今やろうとしていることが必要なことかどうかは、原理から考えることが必要となります。

方向性を変える必要が出てきてしまった時には、原理に立ち返り考え直す必要があります。

 

また現状のテクノロジーを把握することにより、最適な方法を導き出すことができるため、今の技術を知る必要があります。

  1. 使える
  2. ポテンシャルがわかる
  3. なぜできたのかを原理から理解している
  4. 実際の作り方がわかる

 

この4つのうち、1・2は大抵の人が把握できるものなので、3を把握できるかが大きな分かれ目となり、未来をいち早く察知できるか同課に関わってきます。

 

 

物事の原理を知り、より効率的な別のアプローチを思いつき、技術的にもそれが実現可能であることが理解できれば、あとはタイミングのみということとなります。

このタイミングに始めることができる必要なリソースを調達することが最も難しいと佐藤氏は言います。

 

理解していても、リソース(資金・スキル・人脈など)がなければ、実現は不可能なものとなってしまいます。

 

また、タイミングについては、直近であればあるほど競合は増えてしまいます。

このタイミングについては「周囲の人の反応」が大切になってきます。

さらには、実際に行動するにあたっては、一定の論理的な矛盾や不確実性をあえて許容し、将来新しい情報が入るであろうことを顧慮して進めていかなければ、未来に先回りすることができません。

 

FacebookがInstagramを買収したとき、「金の無駄遣いだ」と言われ、それでも買収に踏み切ったのは、Facebookを通じて将来どのようなアプリが流行るかをいち早く予想できたからに他なりません。

 

 

まとめ

本書が発売されたのは、2015年の8月です。

そして私がこの読んだのは2017年12月です。

 

2年もの月日が経っているにも関わらず、新鮮に感じられたのは著者の佐藤氏が未来を見据えて書いていたということに他なりません。

 

現実的に未来に先回りしている人たちの思考が事細かく記載されており、実践にはかなりの努力を要するだろうと思われます。

 

しかし、世の中は私たちが予想できる以上のスピードで動き、多くの予想を覆していることは間違いないことでしょう。

 

その予想と現実のギャップを少なく、そして時代に乗り遅れないためにもこの考え方の実践は必須事項。

 

備忘録としてまとめさせていただきました。

さらに細かい内容、具体例が本書に記載がございます。

少しでも行動の後押しになっていれば幸いです。

 

 

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